将棋の話16 ~角換わり腰掛銀と上達のコツ

先日、「角換わり腰掛銀」の将棋を指しました。

(図1)



私は△後手番で、
上手になっているのでちと分かりにくいですが、
(図1)は実戦棋譜の序盤の局面図です。

後手私は腰掛銀ですが、先手は飛車浮いたりして変な陣形です。
こういう構えは角換わりの将棋でも普通、
対「角換わり棒銀」の時にするもんなんですけどね。
よく分かりませんが実戦棋譜なので仕方がありません。

分かりやすい局面図も載せておきましょう。

(図2)



これが「角換わり腰掛銀」の最新の定跡手順うちのひとつの局面図です。
5筋の歩を突かないまま、銀が進出してその上に乗っかっている。
腰掛けているように見える。
歩の頭に腰掛けながら進出してゆくから「腰掛銀」。

「角換わりの将棋で五筋の歩を突いてはいけない」
というのがセオリーみたいなもので、
理由は「玉当たりの筋を通すことになるから」というのと
「角の打ち込む隙が生じるから」ですね。

私はここ数年振飛車の四間飛車ばかり指してましたので、
「飛車を振らないと寝覚めが悪い」
というような感じになっていて、
居飛車の将棋はほとんど指したことがありません。
しかしながら生粋の振飛車党ではなく、
もとは居飛車の将棋しか指さなかった。

振飛車は、居飛車当時の私の目からは、
「かっこいい」
ものでしたから、ちょっと振飛車のかっこよさを身につけてみよう、
というつもりで、勉強のつもりで指し始めたらそれが染み付いた
という振飛車党なわけです。
だから居飛車の将棋も指さないことはない。

居飛車一本時代の戦形は急戦か、
持久戦なら矢倉か
左美濃の天守閣美濃だった。

こう戦形を列挙すればお分かりのように、
「角換わり」系統の将棋は居飛車党のころも指さなかったわけです。
角換わり系の将棋は空中戦になることが多く「難しい」という頭があって、
角が睨み合った局面では私のほうから角筋を止めていた。

今回滅多にない角換わりの、
これまた一度も指したことがないと言いそうなくらい
指した記憶がない「腰掛銀」になったのは
無論意を決してそうしようと思ったわけではない。

後手番だったからですね。

初手先手が▲7六歩としたら、
振飛車なら△3四歩と応じるのは自然な手です。
次に相手が振飛車党なら6四歩と角道止めてくるし、
居飛車党は▲2六歩と飛車先の歩を突き出しますので、
そこで後手は△4四歩として振飛車の意志を表せばよい。

しかし主導権は先手にありますので、
△3四歩とした瞬間に角交換されたら、
後手はもう四間飛車にすることができなくなる。

角交換になっちまったものは仕方がない。
それに応じて変化してゆかないといけないわけです。
四間飛車党でもそれ一本でゆくというのはかなり難しい。
後手番用の指し方を柔軟に練習しておく必要がある。

序盤で角換わりになったら、
「角換わり棒銀」か「角換わり腰掛銀」に進んでゆくのが普通でしょう。
私は腰掛銀のほうを採用した。

この将棋、結果的に私が勝ったのですが、
終局後棋譜を解析にかけてみると、
とんでもない悪手だらけで愕然としてしまいました。
とてもじゃないけどお見せすることができないほど、
酷かった。

慣れた四間飛車だと、
悪手判定を受けたところは指している時も
指した本人違和感があったり、「これ悪手かも」
と思いながら指しているのですが、

一度も指したことのない戦形というのは「感覚的に」未知なので、
この「違和感」が全くない。
「よし、これはいい手だ」
と思って指した手が大悪手で、
最後までそのことに気づかない。

相手が上手な人ならその場で厳しく悪手を咎めてくれるが、
対戦相手の棋力が私とどっこいどっこいの場合、
大悪手に気づかないまま終わる。

私が悪手を指せば相手がお附合いして逸機する
相手が悪手を指せば私もお附合いして逸機するという感じになるので、
悪手を指したという実感がなくなる。

だから棋譜解析してみると、
愕然とするということになるわけです。

指している本人の「感じ」がいかに当てにならないか。

棋力アップには生身の人間なら「感想戦」が、
独学なら将棋ソフトによる棋譜解析が必要です。

「感じ」と「事実」の乖離を修正して、
事実のほうに「感じ」を統合させてゆく、
謙虚な姿勢が上達するには不可欠なのです。

将棋上達のコツは、将棋のうまい人と指すこと。
将棋が上手く強い人に実戦で「教わる」のが一番です。

しかしたいていの場合はそんな恵まれた環境にはありません。
上級者はさらに強い人と対戦したいもので、
そこそこ指せることで満足して進歩しなくなったアマチュアは、
同レベルの人間としか指さない。
下手な人と指したくない。

よって初心者は上手な人には相手にしてもらえない。
同じ程度の実力の人しか対戦してくれないものですから、
指し手の良し悪しが分からず、
少しも上達しない。

下手な人同士で指した時ほど勝っても負けても必ず棋譜をとっておく
という癖をつけておくことが必要です。
将棋ソフトの解析にかけて自分の実力のほどを
「感じ」ではなく「事実」として知ること。
勝敗など二の次。
中身が大事なのです。

へぼ将棋同士であっても、
できるだけ終局後の感想戦をしたほうがいいようですね。

それが将棋上達のコツだな、と、
滅多に指さない「角換わり腰掛銀」を指してみて、
痛感してしまいました。

ネットで将棋を指し始めて数年、
私の将棋は果たして上達しているのか?

最近の棋譜解析の結果の顕著な傾向は、
救いのない悪手や疑問手の連発は相変わらずですが、
東大将棋くんの滅多に「好手」と言ってくれない辛い棋譜解析で、
プロの将棋の棋譜解析結果並に、
「好手」が数回でるようになったということ。

悪手は減らないが好手は増えた。

これを果たして上達したと考えていいものかどうか。
難しいところです、実際。

(渡野川)



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