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zoom RSS 『ユナイテッド93』

<<   作成日時 : 2006/08/19 00:16   >>

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2006年 アメリカ映画
監督: ポール・グリーングラス
製作: ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
ロイド・レヴィン
製作総指揮: ライザ・チェイシン
デブラ・ヘイワード
脚本: ポール・グリーングラス
配給:UIP
公開:2006/08/12
DVD:発売され次第情報追加します。
おすすめ度:
公式サイト:http://www.united93.jp/top.html



久々の新作映画レビューです。
全く予備知識なしに行き当たりばったりで観ました。
最初、航空パニック映画かと思とったわけですよ。
ほら昔あったでしょう?
『大空港』iconとか、 『エアポート’75』iconとか。

結果大ハズレで、いわゆる「9.11後遺症もの」でした。
新たにアメリカに生じてきた
「アメリカンリアリズム」のシリアスもののひとつでしょう。
プロパガンダ色が薄いので、
できのいいものだったと思う。

「同時多発テロ」と呼ばれる
2001年9月11日、日本時間午後11時ぐらいでしたっけ、
『ニュースステーション』放送中で、
リアルタイムのCNN映像で、
飛行機が貿易センタービルに突っ込むのを放映してました。

久米宏が夏休みだった、というのも記憶してますが、
この日起こった飛行機テロで、
ジャックされた飛行機は4機。
3機はそれぞれ、貿易センタービルに2機、ペンタゴンに1機と
目標に到達したけれども、
唯一攻撃目標に達することができなかった旅客機があった。

それが「ユナイテッド93便」だったわけです。

攻撃目標から最も遠かったためもあって、
ハイジャックされてからの時間が長い。
その間に乗客が携帯電話で家族に連絡をとり、
貿易センタービルとペンタゴンで起こったことを知ることができる。
身代金目的のハイジャックなら、
おとなしくしていれば助かるだろうから
皆犯人たちに恭順の態度をとろうとします。

携帯電話で家族から知らされたことは、
自爆テロで、
おとなしくしていても命が助かることはありえない
という現実であった。
それが分かったら生き残るために戦うしかない、
と腹を括れる。

乗客の男たちは決死の覚悟で犯人と戦うことにした。
結果、最後の1機は目標に到達することができなかった。

最後の1機だった、
という条件が作り出した冷徹な「事実」であり
「現実」ですね。
何人たりとも汚すことのできない
「神聖」と呼ぶべき動かしがたい「事実」。

それを、機内から肉親宛にかけた電話での会話の内容をもとに
できるだけ忠実に、描いてゆこうとした秀作です。
「ユナイテッド93便」は、
畑のなかに墜落し、生存者は一人もいないなか
搭乗客の一人一人を忠実に再現してゆこうと
キャストの役者たちも実物に似た人を選んだそうな。

乗客たちが命がけで犯人と戦ったことで、
救われた命が間違いなくあった。
やはり「正しいこと」のために戦うのは
不幸のなかに幽かな救いの光を灯すものだなと
改めて認識しましたね私は。

無論映画ですから、
『ヒトラー 〜最期の12日間』のレビューで書いたように
厳密な意味での事実はひとつも描かれていません。
しかし私が好感を持つのは、肉親の「証言」という「ことば」に
最大限の敬意を払って事象を見据えようとした
描く側の生真面目な姿勢です。
それに私も最大限の敬意を表したいと思います。

はじめにことばありき、ですからね。

この作品も『クラッシュ』を観た後のように
重い気分ながら、何やら消えない火影のようなものが
胸の奥のほうに灯っていたような
そんな余韻が残りました。
観てよかった。

さて、『ユナイテッド93』とか、『シリアナ』とか
戦争ドキュメンタリータッチの映画が
昨今多く公開されています。
それが「アメリカ病」である「9.11後遺症」なのですが
作品レビューが方々で多く書かれています。
それに、ことごとく同じ宣伝文句の
マルチポストコメント投稿する人がいるようです。

『Loose Change=ルース・チェインジ』

とかいう、自主制作映画をプロパガンダ目的で宣伝をしているわけですが、
予め書いておきますが、私の記事に同じマルチポストをなさっても、
削除させていただきますよ、この記事とは何の関係もありませんので。
前もってお断りしておきたいと思います。

(渡野川)


念のため追記。

(注)
『Loose Change=ルース・チェインジ』

アメリカの学生がマスメディアに就職したくて
自分を売り込む目的で作ったような内容の映画。

作品じたいにはプロパガンダの意志は薄そうだが、
日本の反戦平和・同性愛者人権擁護政治勢力の
プロパガンダの道具に利用される可能性がある。
テレビ朝日「サンデープロジェクト」のような切り口で
メディア利権擁護目的で国家や政府の陰謀説を宣伝する
プロパガンダ目的に悪用される危険性もある。

「貿易センタービルが崩落したのは不可解だ、あれは爆弾が原因だ」とか、
「ペンタゴンの飛行機が突撃した建物の破損は小さすぎる、
あれはミサイルで攻撃されたのだ」とか、
陳腐な憶測を恣意的な映像をつなげてそれらしく見えるように構成し、
最終的に「あのテロはアメリカ政府の自作自演である」という
「陰謀説」を主張しているだけ。
ハリウッドスパイ映画の観すぎ。
他人の不幸で遊びすぎ。

現実の出来事をミステリー映画のように
娯楽化してよろこぶ種類の人間好みのもの。

だいたいねえ、
いろんなビル火災を例にあげて「ひとつも倒壊したビルはない」
とか言いながら、更地にするための古ビル爆破解体の映像を並べてみせて、
「ほら、この通り、貿易センタービルも爆弾で倒壊されせられたのだ!」
などと言われてもねえ、
ぜんぜん倒壊の仕方が違うじゃん。
古ビル解体現場映像は、
爆弾が仕掛けられた根元から倒壊してるから
「下から上へ」ビルが崩れていっているのに対して、
貿易センタービルは「上から下へ」崩れて行ってます。
比較にならない決定的な違いです。

アメリカ政府が自作自演でやったというなら、
膨大な資金が必要で、
この資金が会計から支出されてないといけませんが
そのような調べは一切なし?
ただ無責任に陰謀説を吹聴するのは、
アメリカ国内なら政治・選挙目的のプロパガンダ。
制作者個人とすれば、メディアへの採用売り込み。
日本人が吹聴するなら、この国の保守本流プロパガンダである
「政府・国家は悪でメディアは善だ」
とするメディア利権擁護のための反戦平和プロパガンダで
莫迦な大衆がまんまとマインドコントロールされて
お祭り騒ぎを始めた
ということにすぎないでしょう。

現実とドラマとの区別なく
映像を娯楽や政治目的で消費しようとする姿勢に
不愉快極まりないものを感じる作品でした。

妄想と憶測を「これが真実だ」
と吹聴するのは、プロパガンダの常套手段で、
「ダ・ヴィンチ・コード」
と同じ「思考力の弱さ」を感じます。

2006/10/28 「ルース・チェインジ」911アメリカ政府陰謀論はカルトの一種
2006/09/19 Loose Change=ルース・チェインジを巡る情報操作 2nd Edition



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監督・製作・脚本:ポール・グリーングラス 出演:コーリイ・ジョンソン、デニー・ディロン、 タラ・ヒューゴ、サイモン・ポーランド、デヴィッド・ラッシュ、ベン・スライニー、ハリド・アブダラ 公式サイト ママの評価:☆☆☆☆★(星4つ) ...続きを見る
渋谷でママ気mama徒然日記
2006/09/19 16:43

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